子どもたちに生きた教育を

日本では、性教育について「秘めて言わぬもの」といった考えが根強く、親も性教育を受けた経験がなく、教育現場でも性行為や避妊といった内容には触れません。生まれながらにインターネットのある世界にいる子どもたち。気になる言葉をスマホから自分で探し出すことができてしまいます。性に関する情報に触れることは避けようと思っても難しいのが現状です。しかも、その情報は正しいものばかりではありません。

だからこそ、性教育は遠ざけるのではなく、「性行為とは何か、性犯罪とは何か、被害者、加害者にならないように正しいこと、間違っていること」をしっかり教えなければ、子どもたちは間違った情報におぼれていってしまう、ということを懸念しています。

2009年にユネスコが発表した「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」で示しているような、5~18歳の子どもの、人権に基づいた性教育の基盤をつくっていく必要があると思います。

持って生まれた性、自分が思う性、好きな相手は誰からも批判されるものではありません。性の多様性を認める価値観をもつよう、家庭の中でも「命の誕生、愛し愛されること、自分の身を守ること」を話せるような環境を作っていけたらと思います。